「茶筒型の義歯を選んで正解でした」(60代 女性)
No.65「茶筒型の義歯を選んで正解でした」(60代 女性)
茶筒の原理を応用した義歯
こちらの症例は、下の歯の欠損が多いなか、1本だけ比較的しっかりした歯を残して茶筒型の義歯で治療したケースです。
残っている歯に過度な力がかかることを避け、義歯全体が安定する役割を担えるようにするには、茶筒のような構造の装置を使用します。
茶筒は、特に特別な装置がついているわけではないのに、簡単にはなかなか外れなく、少しコツを使ってゆっくりと回しながら引くとスムースに外れます。ドイツで開発された義歯で、フックになる金具が見えず、しっかり噛める美しい義歯として1980年ごろより日本でも広まった治療方法です。
一時期は多くの歯科医院で取り扱っていたようですが、精度の高い歯科技工所とタックを組み、経験豊富な歯科医師の技術が必要なことから、最近では取り扱っている歯科医院少なくなってきているようです。背景には、インプラント治療が普及してきたこともあるでしょう。
しかし現在でも、ケースによっては、非常に有効な入れ歯の治療法であり、遠くからこの治療を求めていらっしゃることも珍しくありません。
1本の歯を残すかどうかをじっくり相談
入れ歯の治療では、将来起こりうる口腔内の変化を想定した設計にする事が非常に大切になってきます。
今回のケースの場合には、1本の歯があることの制約や、将来歯がダメになってしまう場合を想定して、初めから総義歯にすることも十分考えられました。
一方で、自分の歯を1本でも残すことで、噛む感覚が脳に伝わり、噛み応えを感じられることも見逃せません。快適に噛めるとは、美味しく食事ができること目指すわけで、ただ噛むことができれば良いというものではないはずです。ですので、噛み応えを大切にし、持たせられるところまでは歯を残すという治療を選択しました。
仮に、残したその歯が維持できない状態になった場合は、修理をして総義歯で使用できるように設計する予定を立て、安心して治療を受けていただきました。
自分の歯が1本残っている場合は、すべてこのようになる訳ではありません。1本がどの部位(場所)、どのような治療経過があるのか、歯周病の具合はどの程度か、日ごろからプラークコントロールがどの程度できているか、患者さん自身は何を希望されているかなどを総合的に判断してのこととなります。
残念ながら残っている歯が少なくなってしまった方も、どうか諦めずに相談して下さればと思います。
※ミラクルデンチャーは薬機法上の承認を得ておりません。国内のミラクルラボ株式会社で製造したものを使用しており、治療部位によっては脱着が難しいなどのデメリットがあります。国内に同じような性能の代替品はなく、諸外国での安全性については情報が少ないため、明示することができません。(約13.2~99万円/税込※症例によって変動)
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製作したミラクルデンチャー
治療の概要
治療費用 | 650,000円 |
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治療期間 | 3カ月 12回 |
リスク・不副作用 | 金属を使用しますので、稀に金属アレルギーを引き起こすことがあります。 |